こちらは、2021年11月8日に公開された以下のドキュメントを翻訳したものとなります。
Anim Layer Masks and Blending
本日、アニメーションコンポーネントの最新機能であるアニメーションレイヤーのマスキングとブレンディングをリリースします。
この機能は、アニメーションをさらにクリエイティブにしたいというPlayCanvasユーザーからの熱い要望にお応えするため開発されました。今回のブログではその仕組をご紹介します。
キャラクターのアニメーション
ゲームで複雑なアニメーション動作を作成する場合、キャラクターに同時に複数の動作をさせなければならない場合が多くあります。例えば、シーンを自由に動き回りながらアイテムを拾って運んだり、武器を発射したりするキャラクターを作りたいとします。
これらの動作を同時に実行するには、キャラクターの上半身と下半身を個別にアニメーションさせる必要があります。上半身はアイドル状態から射撃状態になって必要に応じて銃を撃つことができ、下半身はプレイヤーの指示に応じてアイドル状態、歩く状態、走る状態を自由に遷移することが求められます。
多くの3Dエンジンでは、この効果を得ることは困難です。なぜならば、通常はゲームプロジェクトにこれらのアセットをインポートする前に、アニメーションファイル自体で特定のアニメーションボーンを削除する必要があるからです。このようにして初めて、移動用と射撃用の2つのアニメーションレイヤーを作成できます。
射撃アニメーションでは、下半身のボーンをすべて削除することで移動用レイヤーで下半身をアニメーションできるようになります。ただし大規模なプロジェクトでは、この作業が非常に面倒な場合があります。アニメーションにボーンを追加/削除するには、開発者が使用しているモデリングソフトウェアでアニメーションアセットを再構築してから、PlayCanvasプロジェクトに再度インポートする必要があるためです。
アニメーションレイヤーマスク
開発者はマスクによってアニメーションレイヤーからモデルのボーンを直接追加または削除できるようになるため、このワークフローは効率化されます。つまり、特定のアニメーションセットがPlayCanvasエディタでどのキャラクターパーツをアニメーションするか、開発者が直接選択できるのです。キャラクターボーンの様々な組み合わせをテストするには、チェックボックス数ヶ所を切り替えるだけで済みます。
キャラクターモデルの上半身のボーンのみをアニメーションレイヤーに選択すれば、上半身のマスクがなければ上書きされていた下半身を、前のレイヤーでアニメーションさせることができます。
アニメーションレイヤーのブレンディング
これまでのアニメーションコンポーネントでは、複数のアニメーションレイヤーを作成することでいくつものアニメーションを重ねて再生できました。しかし、前のレイヤーと同じボーンを動かす後続のアニメーションは、前のアニメーションを完全に上書きしてしまいます。
そのため、キャラクターの上半分に射撃アニメーションを追加しても、常に前のレイヤーに配置された歩行アニメーションの上で再生されていました。
今後はアニメーションレイヤーブレンディングを使用すれば、後続のレイヤーをスムーズにブレンドして、各レイヤーがキャラクターのアニメーションに与える重みをリアルタイムで変化させることができます。
AnimStateGraphアセットを編集する際に、各レイヤーに2つの「Blend Type」オプションが表示されるようになりました。「Overwrite」オプションはデフォルトで設定されており、従来と同様に後続の各レイヤーが前のレイヤーのアニメーション値を完全に上書きします。
「Additive」オプションを選択すると、アニメーションシステムは追加された各レイヤーの重みを考慮し、それに応じてレイヤーのアニメーションをブレンドします。これは、アニメーションを別のアニメーション上にブレンドするのに最適な方法です。
お役立ちリンク
この機能を使用して、皆様がPlayCanvasでどんな作品を作成されるのかとても楽しみです。レイヤーマスクやブレンディングを使用するには、以下のリンクをご確認ください。
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