こちらは、2022年11月9日に公開された以下のドキュメントを翻訳したものとなります。
Porting Unreal Scenes to the Browser with PlayCanvas - Developer Spotlight with Leonidas Maliokas
Developer Spotlightへようこそ!このシリーズでは、開発者がPlayCanvasをどのように活用しているかについてお聞きし、Web上のすばらしい作品を紹介します。
今回は、Solar Gamesのフリーランス ウェブ/ゲームディベロッパーである、Leonidas Maliokasさんをお迎えしてお届けします。
Leonidasさんは、Solar Gamesがメタバース体験をUnrealからPlayCanvasに移植した方法について、以下の項目を含めて動画で解説くださいました:
- シーンやアセットをUnrealからPlayCanvasに変換
- ランタイムとロードタイムの最適化
- ライティングとポストプロセス
- Colyseusでマルチプレイヤー化
- Ready Player Meでアバターをインテグレーション
- Agoraで空間認識型音声チャットを実装
Leonidasさん、Developer Spotlightへようこそ!ご自身やスタジオについて、紹介いただけますか?
こんにちは、Solar Games(旧 Pirron 1)のLeonidasです!2012 年から、インタラクティブな3Dウェブサイトの制作に携わっています。以前は土木技師として働いていて、趣味でゲーム開発をしていました。その後、フルタイムでPlayCanvasでの開発をおこなうようになりました。
私は、製品コンフィギュレーターやゲーム、販促サイトなど、あらゆる種類の受託開発をPlayCanvasでおこなう一方で、PlayCanvasエンジンとエディターを拡張する方法を調査してきました。オープンワールドの地形や特殊効果、使いやすいネットワークコントローラーを追加するなど、通常はネイティブのゲームエンジンのみにある機能をPlayCanvasに実装したことが、Solar Gamesの設立へとつながりました。
弊社のUranus Tools for PlayCanvasは、PlayCanvasの制作パイプラインを強化する、プラグアンドプレイスクリプトの集合体です。弊社のサービスについては、https://solargames.ioをご参照ください。
また、PlayCanvasでプロシージャル生成されたオープンワールドのソーシャルMMOである、Ariteliaの開発にも取り組んでいます。こちらはまだ開発中ですが、昨年公開されたプレアルファ版の技術デモをお試しいただけます。
実際、これは私達にとっては簡単な選択でした。主要なWebGLライブラリとプラットフォームを比較したところ、PlayCanvasには以下のような際立ったメリットがありました:
- 統合されたエディターとパブリッシングソリューションを提供している点です。プロジェクトやビルドを簡単に共有でき、同僚とリアルタイムでコラボレーションできるのは、ここ数年変わらないPlayCanvasならではの魅力です。
- PlayCanvasチームは、非常に効率的かつプロフェッショナルな方法で、PlayCanvasプラットフォームを発展させています。
- PlayCanvasはオープンソースなので、とても効果的で使いやすいAPIを提供しています。
当初の課題は何でしたか?また、チームはどのようにその課題をクリアしましたか?
おもな課題は、特定の機能やツールが不足していることでした。たとえば、地形システム、ポストエフェクト、自動インスタンス化、ディテールレベルなど、ネイティブのゲームエンジンでは当たり前のものが欠けていました。
幸いなことに、PlayCanvas Editor API が正式にリリースされる前から、PlayCanvasエディターを拡張することが可能でした。私達は独自のエディター拡張機能を作成し、社内の開発パイプラインでこれらの拡張機能を活用して生産性を高めました。
他のディベロッパーや企業も、これらの拡張機能に興味を持ったため、弊社アセットストアで提供するようになりました。
HTML5ゲーム/体験の構築は、ネイティブゲーム/体験の構築とどのように異なりましたか?
レンダリング、リソースロード、ゲームロジック、ステートマネジメントなど、いくつかのコンセプトは非常によく似ています。しかし、ウェブベースの体験については、いくつかの特殊なコンセプトが存在し、解決が難しい場合があります。
特に、ダウンロード時間、多様なディスプレイサイズとピクセル比率、幅広いデバイスの仕様、プラットフォームとブラウザの互換性などです。
高品質なHTML5体験を構築するには、これらの要素の考慮が不可欠です。
PlayCanvasの機能で、最も良かった点は何ですか?
私達のお気に入り機能は、なんといってもエディターです。リアルタイムで協力できるので、PlayCanvasはチームで共同作業するうえで最高のツールです。また、バージョン管理機能がある点もPlayCanvasの大きな強みです!さらに付け加えると、PlayCanvasは非常にクリーンなAPIを提供しています。本当に、HTML5だけでなくネイティブゲームのディベロッパーも、PlayCanvasを試してみるべきでしょう。すぐに効率化が可能な、すばらしいツールです!
その他、以下の機能が気に入っています:
- テクスチャ圧縮を実現するアセットパイプライン
- エンジンAPIと、PlayCanvasチームによる継続的な機能追加
- コミュニティ — 皆様、いつもお世話になっています!
PlayCanvasにどのような機能を追加してほしいですか?
- PlayCanvas WebGPUレンダラーを触れるようにしてほしいです。
- 新しいノードベースのシェーダーエディターへのフルサポート
- 特定のプラットフォームに対応するアセットのバリエーション(たとえば、モバイルでさらに小さなテクスチャを提供する、など)
今後数年間で、HTML5ゲーム/体験はどのように発展していくと思いますか?
HTML5コンテンツを扱うデベロッパーや企業にとって、現在が刺激的な時期であることは間違いありません。かつてないほどに、標準とフレームワークが堅牢で強力になり、またHTML5体験を実行できるデバイスも非常に高性能になったため、技術が進歩しています。
メタバースはすでにHTML5を活用していて、従来のWeb2・新しいWeb3の両方のウェブサイトに世界と体験を展開しています。
ピクセルストリーミングは、HTML5が提供できる唯一の有力候補です。すばらしいコンセプトなので、私はピクセルストリーミングが有効な選択肢となる機能に期待しています。ただし、これはすぐに実現するとは思っていません。
HTML5の周辺には様々なチャンスがあり、HTML5に関わるすべての人々にとって非常にポジティブな未来が広がっていると、私は考えています。
ご回答ありがとうございました。プレゼンテーションの動画も楽しみにしています!
弊社の作品をご紹介する機会をいただき、ありがとうございます!
関連リンクはこちらです:
今後も、Developer Spotlightにご期待ください!
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