こちらは、2022年10月27日に公開された以下のドキュメントを翻訳したものとなります。
Web AR Experiences - Developer Spotlight with Animech
第3回 Developer Spotlightへようこそ!
このシリーズでは、開発者がPlayCanvasをどのように活用しているかについてお聞きし、Web上のすばらしい作品を紹介します。
今回はAnimechのCMOである、Staffan Hagbergさんをお迎えしてお届けします。
Staffanさん、Developer Spotlightへようこそ!ご自身やAnimechについて紹介いただけますか?
Animechは、2007年にスウェーデンのウプサラで設立されました。3Dアーティスト、エンジニア、ディベロッパー、UI/UXのエキスパートから成る40人のチームで、すべてのコンピタンスを社内に有しています。リアルタイム3Dの黎明期にスタートした弊社では、CADエンジニアとディベロッパーが、ライフサイエンス分野での複雑な製品の販売に、ビジュアライゼーションが非常に有効だと当時から気付いていました。
それ以降、私達はオンラインでもオフラインでも、思いつくものほとんどすべてビジュアライズしてきました。VR、AR、MR、携帯電話、タブレット、デスクトップなどブラウザを搭載したあらゆるデバイスで作業をおこないました。また、自動車用のVRアプリケーション、史上初のネイティブWebGLによるリアルタイム3Dコンフィギュレーター、Oculus Rift Devkit用の世界初のコンフィギュレーターなどを開発しました。
この他、ホテルの金庫や医療機器、ライフサイエンス分野の大手10社のうち7社向けのラボ製品の体験をビジュアル化しました。また、UnrealからglTFへの3Dコンバーターや、PlayCanvas用の特別なカスタムツールを数多く構築しています。
弊社のコアビジネスは、リアルタイム3Dです。常に限界を押し広げ、私達のソリューションが違いを生み出すよう、3Dの新しい用途の開拓に努めています。
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なぜ、AnimechはPlayCanvasを選択したのですか?
WebGLベースのエンジンを幅広く探した結果、弊社はいくつかのエンジンを評価しました。そして、パフォーマンスや、すぐに使える機能、拡張性、価値の高いエディターから、PlayCanvasを選びました。私達の顧客は、アプリやプラグインが不要で、かつ最高レベルのビジュアル品質とスムーズなブラウジング体験を望んでいます。PlayCanvas はそれらの要件を満たすうえで、本当に役立っています。
弊社のアーティスト視点から言っても、PlayCanvasはアーティストにとって最も使いやすいWebGLエディターでした(現在もそうです)。オープンソースである点や、PBRやトーンマッピング、レンダリングレイヤーなど多くの重要な機能をサポートしていることも、大きなメリットです。
あなたのチームは、最初に何か課題に直面しましたか?また、その課題をどのように克服しましたか?
お客様から高い品質や性能を期待されることは、常にチャレンジングなことです。しかし同時に、それが私達の原動力でもあります。真のビジネス価値にリンクした素晴らしい3D体験を創造できることは、稀有な機会であると同時に挑戦でもあります。そのプロセスにARを加えることで、競合他社に差をつけることができるのです。
弊社特有の課題は、プロシージャルに生成されたメッシュのARモデルを、汎用的な機能として動的に作成することでした。この課題を解決するため、PlayCanvasで見ているどんな3Dオブジェクトでも取り込んで、iOSとAndroidデバイス(ARKitまたはARCore)用のARモデルをすぐに作成できるSaaSサービスを構築しました。
御社では、数多くのWeb AR体験を構築しています。それらの体験について、また今日のWeb ARの重要性について教えてください。
弊社はARとVRの両方を、スタンドアロン・アプリケーションとしてもウェブ上でも、早くから採用してきました。私達はARをギミックとしてではなく、ユーザーに本当の価値を提供するアプリケーションとして使うことが重要だと考えています。たとえば、実際に自宅の裏庭で温室がどのように見えるか確認する、などです。そういう意味で、Web ARは際立ったものであると同時に、ユーザーに価値を提供するものとして、ますます重要になると思います。
なぜ、顧客はWeb ARを体験に求めているのでしょうか?
ユーザーにマーケティング的な価値や実際の価値といった、より多くのものを提供するためです。また、ユーザーがよりスマートに、より多くの情報を得たうえで意思決定できるようにするためです。
また弊社は、PlayCanvasの3DモデルをglTFやUSDに変換する、独自のウェブベース3Dコンバーターも開発しました。これはサーバーサイドのソリューションで、私達が開発したすべてのものをARに変換します。
WebGL体験の構築は、ネイティブ体験の構築とどのように異なりますか?
WebGLの体験では、ローディング時間とパフォーマンスの両方を最適化しなければなりません。
また、アプリケーションは、幅広いデバイスで実行される可能性があります。数年前の古い携帯電話から、ハイエンドのデスクトップにいたるまでです。
PlayCanvasが提供する機能で、チームのお気に入りはありますか?
3Dアーティストとディベロッパーの両方で構成されるチームとして、PlayCanvasのオンラインエディターはすばらしい機能だと思います。このエディターを使用すれば、ソリューションを魅力的なWeb UIと組み合わせたり、スタンドアロンビューワーとして展開する前に、コラボレーションや準備、プロジェクトのプレビューをおこなえます。
また、弊社の3Dアーティストは、エディターが強固で使いやすく、コラボレーションを促進するデザインである点を評価しています。強力なマテリアル設定(テクスチャごとのUVとカラーのチャネル、頂点カラー、ブレンドタイプ、深度テスト/書き込みなど)、柔軟なテクスチャ圧縮のほか、バグ報告や機能リクエストをおこなった際の、PlayCanvasチームの迅速な対応もすばらしいです。
PlayCanvasにどのような機能を追加してほしいですか?
ウェブ上で3Dの未来が発展し続ける状況で、PlayCanvasも提唱している、Khronos GroupによるglTF標準など、よりアクセスしやすい3Dフォーマットがサポートされることを期待しています。
その他、私達は以下を期待しています:
- ノードベースのシェーダーエディター
- エディター拡張機能のサポート
- ポストプロセス(HDRブルーム、色収差、SSAO、モーションブラー、カラーグレーディング、アイアダプションなど)
- よりカスタマイズしやすい、インポートオプション
- リフレクションプローブ
- マテリアルインスタンス(Unreal Engineを参照)
- デバッグのビジュアライゼーション(Unreal Engineのビューモードを参照)
- 現在非表示になっている、エディターのオプションの公開(詳細マップなど)
今後数年間で、ARや3Dのeコマースはどのように発展していくと思いますか?
これらが発展する可能性は、非常に高いです。問題は、人々が実際にいつARを使い始めるかです。ARは何年も前から存在し、たくさんの興味深いソリューションやデモが作られてきましたが、ARの本当の価値はまだ大衆に届いていません。
ただし、そういった状態に近づいていると思います。先日、私は新しいエスプレッソコーヒーマシンを買おうとしていました。ある業者は、オンライン通販でARモデルを公開しており、見た目もよく、私のニーズをカバーしていると確認できました。たった1つの静的なUSDZファイルで十分だったのです。このように、顧客の正しい決断を助けるのはとても簡単なことです。ARで構成された3Dモデルを見ることができ、買おうとしているものの可能性を本当に確認できるとしたら、どれだけの付加価値があるか想像してみてください。
次の段階では、ARモードで3Dモデルを直接設定したり変更することで、より強力な体験ができるようになると思います。
オンライン上のグラフィック品質が向上し、ファッション業界がカスタマージャーニーをデジタル化し続けるなか、ARはおそらくバッグ、時計、ジュエリー、服などのファッション製品を試着するための最適かつ最も簡単な方法となるでしょう。オンラインでの商品購入前にバーチャル試着ができれば、誤った発注を大幅に減らすことができます。
Animechは、お客様が望むものを手に入れるためのお手伝いをします。つまり、私達はインテリジェントなビジュアライゼーションによって、人々がスマートな意思決定をおこなえるよう支援しているのです。
Staffanさん、ありがとうございました!何かお知らせはありますか?
弊社ウェブサイトはこちらです。
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